講演(午前の部)では、大阪医科薬科大学 研究支援センター医療統計室 西岡 大輔氏を招き、「『社会的処方』を知って、地域連携を豊かにしよう ~目の前に現れる住民は、数々の障壁を乗り越えられた人~ 」と題して講演いただきました。

 医療という場面で、患者個人の生活療養に視点を置いて支援をすることが求められるよう社会が変革していきていることを前提に、健康に影響を及ぼす社会的要因及び「社会的処方」という言葉を通じて学ぶことができることについて講演いただきました。

健康は加齢や遺伝等で規定されるだけではなく、暮らしている地域や社会環境の影響を受けた生活習慣=健康の社会的決定要因によって決定づけられることを複数の研究を例に解説され、健康を阻害している社会的要因が治せるものなのか疑問を持ち、何ができるのか考えていくこと=社会的処方が大切であることを訴えられました。

西岡先生

 講演(午後の部)では、福井県おおい町国民健康保険名田庄診療所 所長 中村 伸一氏を招き、「地域医療30年で学んだ人生100年時代の健幸学」と題して講演いただきました。

 人とのつながりの有無が与える寿命・健康への影響や笑顔と寿命の関係、ポジティブ/ネガティブと寿命の関係等々、会場にいる参加者への問いかけも交えつつ、幸福度の高さが健康に与えている影響について様々な研究及び追跡調査結果を例に解説されました。講演の最後を「将来、愛を受けるためには、家庭や仲間・職場・地域に今の内に愛情を注ぐこと」として締められ、人生100年時代をどう過ごしていくのか考えさせられる内容でした。

中村先生