第2部の「第13回鳥取県国保地域医療学会」では、メインテーマを『ニューノーマルを見据えたこれからの中山間地域の診療施設の役割~地域住民が求める魅力ある地域を目指して~』として、講演とシンポジウムを行いました。
 講演では、『地域包括ケアから地域共生社会へ~住民と医療・介護・福祉関係者が協働する地域の仕組みづくり~』と題し、鳥取大学医学部地域医療学講座 孫大輔氏に現在の地域社会が抱える課題や、社会的処方を取り入れた医療の重要性についてご講演いただきました。
 参加者からは「地域全体でのコミュニティの大切さ、人のつながりを地域の文化として後世につなげていくことの大切さを学べた。」「具体的な住民さんの巻き込み方や協働が知れてよかった。」など、今後の地域づくりを考えるための参考となるとても良い講演であったとの声をいただきました。
 シンポジウムでは、メインテーマである地域住民が求める診療施設の役割について、地域住民・行政・医療のそれぞれの立場でディスカッションを行いました。住民自らが運営する地域コミュニティと診療施設の連携、データ分析を活用した自治体の保健活動・健康づくり、切れ目のない医療を提供するための病診連携とかかりつけ医機能について、シンポジストの現状の取組み事例から、現状の課題、向かうべき方向について活発な意見交換が行われました。
 また、中山間地域に住む地域住民が今後も安心して医療提供が行われるよう、鳥取県に「中山間地域の医療体制の確保に関する要望書」の提出を行いました。要望書では、かかりつけ医機能の充実・強化、医療人材の確保育成、医療DXを活用した医療提供ネットワークの構築等の提言を行いました。
 人をつなげる地域全体のコミュニティの仕組みづくりの必要性と地域住民、行政、医療・福祉関係者が協働・連携する重要性を再認識する学会となりました。

 要望書

       (要望書の提出の様子)