鳥取県保険者協議会(※)では、特定健診・保健指導を効果的に推進できる人材を育成する事を目的に、鳥取県との共催で特定健診・保健指導従事者研修会を例年4回開催しています。今年度はより多くの方に参加いただくため、対面形式とオンライン形式を同時開催するハイブリッド形式で計画し、第1回目となる基礎編を7月21日(木)に、第2回目となるスキルアップ編①を8月18日(木)に開催しました。

 両日ともに鳥取大学医学部 地域医療学講座 教授 谷口 晋一 氏を講師に招き、以下のような内容で講演いただきました。

 

【基礎編】

 メタボリック症候群の病態や検査数値の読み取り方について医学的見地から丁寧に解説いただき、検査数値1つ1つに注目して解釈しようとするのではなく、データを一元的に捉え、その奥にある対象者の生活などの背景にも目を向けて問題を捉える必要があることについて説明されました。

 

【スキルアップ編①】

 行動変容のプロセスを解説いただいたうえで、非効果的な保健指導の例として対象者に寄り添わない会話が展開されるお笑い芸人のコント動画も織り交ぜながら、行動変容を促す効果的な保健指導について考える機会となりました。

 また、講師のこれまでの経験から、指導者も対象者と同じ目線に立ち、同じように悩みや困り事があることを共感しながらコミュニケーションをとることで対象者に寄り添う指導に繋がること、加えて、「人は他人から命令・操作されたいとは思わない。しかし、意思決定の責任を背負わされるのはしんどいと感じるため、背中を押してほしいとは思っている。」ということを理解し、対象者が自ら学びたい、知りたいと思えるよう気付きを促すことが大切であると、効果的な保健指導を実施するための助言をいただきました。

 

 参加者からは、「糖尿病や生活習慣病の方の支援は難しいと感じることもあるが、その人のパーソナリティや背景を忘れないように業務にあたりたい。」「興味深いデータ、分かりやすい動画や資料を多く取り入れての講義で大変ためになった。」等の声をいただきました。

 

※鳥取県保険者協議会:高確法に基づき、県内の医療保険者(県・市町村国保・医師国保組合・健保組合・協会けんぽ・共済組合・後期高齢者医療広域連合)が連携・協力して、地域・職域を超えた保健事業の円滑かつ効率的な実施等により被保険者等の健康保持・増進を図るとともに、保険者の円滑な事業運営に資することを目的に設定されているもので、国保連合会は事務局業務の一部を担っています。