令和4年2月2日(水)に、 「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施に係る研修会」をオンライン形式で開催しました。

本研修会では、「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施(一体的実施)」 の取組を推進することを目的に、講演と、県内市町村の取組報告を行いました。

研修の前半では、神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部 栄養学科教授 田中 和美氏に、一体的実施の概要と事業の組み立て、評価について、ご講演いただき、一体的実施のポイントなどについて学ぶ機会となりました。

(一体的実施のポイント)

  • 一体的実施事業の開始にあたっては、これまでに市町村が取り組んできた事業や、他部署との連携などが大きく変わらない場合でも、事業の目的や評価指標などについて整理し、明確化することが大切
  • 対象者のアセスメントの際には、今後も対象者がその人らしい生活を送るために何ができるのか、対象者本人のストレングス(意欲や強み)に着目して、ポジティブなメッセージにつなげることが重要 など

 また、研修の後半では、 鳥取市、 米子市 から一体的実施の取組状況について、発表いただきました。

(鳥取市の取組状況)

  • データ分析結果をもとに、市の課題であるフレイルや、糖尿病性腎症 に着目した支援を庁内外と連携しながら実施している。
  • また、住民主体の地域づくりを推進する取組として、地域の課題などを住民と一緒に考える 「健康と暮らしを考える会」 を開催している。

(米子市の取組状況)

  • 医療機関や、三師会 と連携し、入退院者に対して 「基本チェックリスト」 を実施している。 また、バスの定期券購入者に対しても 「基本チェックリスト」 を実施し、フレイル該当者を訪問するなど、幅広くきめ細やかな支援体制を構築している。
  • さらに、健康づくりに関するチラシや、PR動画 を作成するなど、高齢者のみならずあらゆる年齢層に対してもアプローチしている。

各市の状況報告に対し、講師からは、「庁内外の連携体制がしっかりとしていて感心した。2市ともに素晴らしい取組を行っており、全国的に見ても進んでいる。」 などの評価をいただきました。 加えて、実績などを数字やグラフで表すことで、より客観的に分かりやすく評価することができるとの助言もいただきました。

 本研修会をとおして、一体的実施事業の基本と、事業を進めるうえでのポイントについて理解を深める機会となりました。 また、2市の具体的な活動報告は今後の事業実施への参考になったと考えます。参加者からは、「一体化事業の概要や、事業の肝となる考え方・評価方法など全体像が良く分かった」、 「2市の発表で連携やポピュレーションアプローチの実施方法など勉強になった」 などの声がありました。