令和3年9月15日(水)に特定健診・保健指導従事者研修会を開催しました。この研修は、鳥取県と保険者協議会の共催で、例年4回開催しているものです。

 令和3年度の第1回目では、市町村や医療機関等、90名を超える参加がありました。講師に大阪大学大学院 医学系研究科 公衆衛生学 特任准教授 野口 緑 氏を招き、対象者の自発的な行動変容を促す特定保健指導の実践的な手法について学ぶ機会となりました。

 前半の講演では、特定保健指導の最大の目標は、重大な疾病や早死を予防することであると再確認したうえで、「命を守るために選択すべき行動を、本人が選択したくなるための支援」の具体的手法について解説いただきました。単に、血圧が高い人に血圧を下げるように伝え、減塩や運動を勧めるのではなく、血圧が高いと体の中で何が起こり、その結果、将来どうなってしまうのかということを説明することで、対象者は今後のイメージがつき、自身の問題を“自分ごと”として捉えられるため、行動変容へ繋がることを学びました。

 後半のグループワークでは、前半の講演を踏まえ、事例の健診データから対象者に起こっている異常と、今後起こり得る疾病等について検討し、保健指導の前段階でしっかりとアセスメントを行うことの重要性について再認識するなど、大変充実した研修となりました。

 参加者からは、「きちんとリスクファクターをアセスメントして、行動変容に繋がるような関わりをしたいと思った。」「早速、次の指導から実践したい。」等の声が寄せられました。